アイドルを目指している
大きく深呼吸すると、ファンに向けて深々と頭を下げた。
会場からはすすり泣く声も聞こえてくる中で、私は淡々と別れの挨拶をしていた。
私は最後に一礼をしようと髪を掻き上げると、髪とは違うかすかな感触に気付いた。
カチューシャの飾りの部分が少しずれていた。
私は羽根の位置を元に戻そうとすると、1人の少女が記憶の片隅から浮かび上がった。
この少女、誰だったか・・ 思い出したい、ふとそう思った。
あまり振り返る事はしたくなかったが、最後くらいはいいか。
「私はいつからアイドルを目指していたのか」
私は記憶を呼び起こすため、終わろうとしていたスピーチを続ける事にした。
そう、あの子だ。あの子が私をアイドルにさせた。スターライトセーラー 西木野真姫 コスプレ衣装
名前は・・思い出せない。
あれは小学校時代、まずはその頃の出来事を思い出す必要がありそうだ。
そう、彼女は転校生だった。
そしていつも1人で本を読んでいる、そんな彼女に興味が湧いた。
彼女は何故みんなの輪に入ろうとしないのか。
その理由はすぐに分かった。彼女はもうすぐ転校するというのだ。